TOP 診療科・部門 呼吸器外科・呼吸器内科(呼吸器センター) 内科的特色・検査
特色
肺がん
大阪府のがん診療拠点病院として、他科や他職種と連携しながら治療効果と生活の質(QOL)の両立に取り組んでいます。 各種画像検査に加えて気管支鏡、超音波内視鏡、CTガイド下生検、胸腔鏡下生検などを用いて診断し、化学放射線療法や分子標的薬などを入院や外来化学療法室で行っています。
また、早期から院内緩和ケアチームと連携して治療を行っており、緩和ケア病棟も完備されております。
薬物療法/放射線治療/外来化学療法室/薬剤師外来
入院や外来化学療法室において 薬物療法や放射線治療を行っています。従来からある抗がん剤と近年主流となっている分子標的薬や免疫療法の登場により、肺癌の予後は飛躍的に改善しています。複雑高度化する化学療法の外来での管理のため、外来化学療法室、薬剤師外来、がん相談支援センターと多職種連携や迅速な有害事象管理のため他科とも連携しながら治療に当たっています。また、近年では標準治療を行った後遺伝子パネル検査を施行し、有効薬が見つかれば更に治療が可能となっており、当院でも時期をみてご提案し、ご希望があれば積極的にがんゲノム拠点病院へご紹介して遺伝子パネル検査につなげています。
検査
気管支鏡検査 胸腔鏡検査(局麻下、全身麻酔下)
超音波気管支鏡(EBUS)
気管支鏡検査はX線透視を用いた従来の経気管支肺生検では正診率が30~50%といわれており満足のいくものではありませんでした。また近年、 肺がん治療 特に非小細胞肺がんの治療に関しては組織型のみならずEGFRを代表とする遺伝子変異の検討も重要であり、 そのためには気管支鏡検査の正診率を向上させるとともに癌組織の検体採取量を増やす必要があります。 これらを解決する方法の一つとして超音波気管支鏡(EBUS)があります。
超音波気管支鏡ガイド下生検(EBUS-TBNA)
EBUS-TBNAは気管・気管支周囲の病変に対してリアルタイムに針生検を可能とした手技であり、挿入部分先端外径が6.9mmのコンベックス走査式超音波気管支鏡を用いています。 気管支鏡と超音波が一体となった内視鏡であり、超音波機能はBモードの他パワードップラーおよびカラードップラーモードを備えており、穿刺ルート上の血管を避けて安全で確実な穿刺が可能です。 縦隔リンパ節病変において従来の全身麻酔下での縦隔鏡に比較して低侵襲で、肺がんリンパ節転移の有無やサルコイドーシスなどの診断に有用です。
仮想気管支内視鏡鏡 ガイドシース腔内超音波断層法(EBUS-GS)
肺抹消病変に生検鉗子などが到達したかの確認は以前よりX線透視を用いて行われてきました。この方法では縦隔や横隔膜に隠れる病変、小さい陰影などの位置確認は困難であり、 さらに生検や擦過の操作後に出血や気管支粘膜の浮腫などが起こった場合、同一気管支に複数回鉗子やブラシを挿入することが困難でした。 EBUS-GSは外径1.4mmの細径調音波プローブにガイドシースをかぶせて病変まで誘導しEBUSにて病変に到達したことを確認後、プローブのみを抜去し、 残したガイドシースに生検鉗子やブラシを挿入することで同一箇所で何度でも生検や擦過が可能となりました。
仮想気管支鏡システムによるナビゲーション
上記の超音波内視鏡に加えてCT画像から作成した仮想気管支鏡によるナビゲーションを併用することにより診断率の向上と検査時間の短縮が得られています。
気管支肺胞洗浄検査(BAL)
気管支鏡で肺の一部を洗い、得られた細胞の種類や性質を調べることで、間質性肺疾患の診断に威力を発揮します。肺組織を採取しなくても診断がつくことがあります。呼吸器科医が慎重に適応を選び、検査部と協力して実施しています。