院内がん登録統計
院内がん登録統計一覧
語句の説明
【がん登録】
「がん登録」とはがんの診断、治療、経過などに関する情報を集め、保管・整理解析する仕組みのこと。大きく分けて、以下の3つに分けられる。
・全国がん登録
平成28年1月から始まった。全国の病院及び一部の診療所で実施。
日本でがんと診断された全ての人のデータを国で1つにまとめて集計・分析・管理する仕組み。
患者情報・腫瘍情報・治療情報等、全部で29項目。
・院内がん登録
診断・治療されたがんについての情報を病院内で集めて、集計・分析・管理する仕組み。
全国がん登録の項目 + より詳細な項目(主に腫瘍情報、治療情報)で構成されており、全部で99項目。
・臓器がん登録
各がんの専門学会等が主体となって、臓器別のがんに関する情報を収集したもの。
病期分類、診断、治療方針等を検討することを目的としている。
【平成○年症例】
当院で診断された症例は「自施設診断日」、他施設で診断されてから当院を訪れた症例はその診断・治療目的に 当院へ最初に訪れた日(「当該腫瘍初診日」)を基準日とし、以下のように分類する。
基準日
- 平成20年1月1日 ~ 平成20年12月31日 ⇒ 平成20年症例
- 平成21年1月1日 ~ 平成21年12月31日 ⇒ 平成21年症例
- 平成22年1月1日 ~ 平成22年12月31日 ⇒ 平成22年症例
- 平成23年1月1日 ~ 平成23年12月31日 ⇒ 平成23年症例
- 平成24年1月1日 ~ 平成24年12月31日 ⇒ 平成24年症例
- 平成25年1月1日 ~ 平成25年12月31日 ⇒ 平成25年症例
- 平成26年1月1日 ~ 平成26年12月31日 ⇒ 平成26年症例
- 平成27年1月1日 ~ 平成27年12月31日 ⇒ 平成27年症例
【症例区分】
どのような症例かを示す項目。内容は以下のとおり。
- 診断のみ : 診断のみの場合
- 自診断・自治療 : 当院で診断し、当院で治療(経過観察含む)した場合
- 他診断・自治療 : 他施設で診断された後、当院を受診し治療(経過観察含む)した場合
- 治療開始後 : 他施設での治療開始後に当院を受診した場合
- 剖検 : 剖検で発見された場合
- その他 : 上記以外の場合
【部位別】
どの部位から発生した悪性腫瘍かを示す。がん登録においてはどの部位から発生した悪性腫瘍か(局在)、 どのような悪性腫瘍 なのか(組織型)を決定するのに「ICD-O-3(国際疾病分類 腫瘍学 第3版)」を使用している。 それを用いて以下のように「部位別」として分類する。
5大がん
- 胃 : C16
- 大腸 : C18~C20
- 肝 : C22
- 肺 : C34
- 乳房 : C50
5大がん以外
- 頭頸部 : C00~C14、C30~C32、C73
- 食道 : C15
- 胆嚢・胆管・膵 : C23~C25
- 皮膚 : C44
- 軟部腫瘍 : C48~C49
- 婦人科腫瘍 : C51~C58
- 前立腺 : C61
- 尿路系 : C64~C68
- 脳腫瘍 : C70~C72、C75
- その他 : 上記以外
【登録件数と当院治療症例件数】
登録件数とはがん登録をした件数(「症例区分」全て)。 当院治療症例件数とは当院で治療を行った症例(「症例区分」で「自診断・自治療」及び「他診断・他治療」のみ)の件数。
症例区分 | |
---|---|
登録件数 | 診断のみ 自診断・自治療 他診断・他治療 治療開始後 剖検 その他 |
当院治療症例件数 | 自診断・自治療 他診断・治療治療 |
【UICC TNM】
UICC TNM とはUICC(国際対がん連合)が定めたがんの進行度合いを示す国際的な指標。 部位別にそれぞれ異なり(例えば「胃」と「大腸」では全く異なる。同じ部位でも組織型によって異なるものもある。)、 T分類(腫瘍の大きさや浸潤度合い等によって決定)、N分類(リンパ節転移の有無又は転移したリンパ節の個数、 場所等によって決定)、M分類(遠隔転移の有無又は転移した場所等によって決定)があり、これらの組み合わせで stage が決定される。
- T分類 : 腫瘍の大きさ、浸潤度合い等によって決定
- N分類 : リンパ節転移の有無、転移したリンパ節の個数、場所等によって決定
- M分類 : 遠隔転移の有無、転移した場所等によって決定
↓
これらの組み合わせでstageが決定される。
また、がん登録においては平成24年症例からUICC TNM 第7版を使用することになった。
- 平成20年症例 ~ 平成23年症例 : UICC TNM 第6版
- 平成24年症例 ~ 平成27年症例 : UICC TNM 第7版