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TOP  診療科・部門  消化器外科  大腸がんの診断と治療

平成27年のわが国の死因別死亡数で最も多かったのが悪性新生物(がん)で、層死亡数の約30%を占めています。次いで心疾患、肺炎が続きます。 がんの部位別にみると、平成27年では、肺がん、大腸がん、胃がんの順に多く、大腸がんは2番目に多いです。さらに死亡者数、死亡率ともに胃がんは減少していますが、 肺がん、大腸がんは増加傾向です。男女別にみた大腸がんの平成27年の死亡率は、男性では第3位、女性では第1位となっています。(厚生労働省「人口動態調査より)

症状

早期がんの場合、自覚症状が無いことが多く、検診により偶然発見される例が大部分をしめます。 進行がんの場合、大腸のどこにどんな〝がん″ができるかによって異なりますが、血便、下血、便秘と下痢の繰り返し、腹痛、貧血、便が細い、便が残る感じ、 お腹が張るなどが多い症状です。 中でも血便の頻度が高いのですが、痔(じ)など良性疾患でも同じような症状がありますので、早めに消化器科などを受診することが早期発見につながります。

診断

直腸指診 :大腸がんを疑う患者さんなどに外来で行う診察法です。指を肛門から直腸内に入れて、しこりや異常の有無を指の感触でしらべます。
注腸造影

:検査の前日に検査食を食べて腸内をきれいにし、肛門からバリウムと空気を注入してX線写真を撮ります。 この検査でがんの正確な位置や大きさ、深さなどがわかります。

大腸内視鏡検査 :腸内をきれいにして、肛門から大腸の中に内視鏡(ファイバースコープ)を入れて行う検査です。直腸から盲腸まで全部の大腸を調べます。 直接腫瘍を観察することで内視鏡で根治可能な早期がんと手術が必要な病変との判別も行うことができます。 同時に腫瘍の一部組織を採取して(生検)、確定診断ができます。
腹部超音波(エコー) :大腸がんと周囲の臓器の位置関係、がんの転移の検索を行います。
CT
(胸腹部・骨盤)

:肝転移、肺転移の検索や直腸がんの骨盤内への浸潤の検索のために行う検査です。 この検査により病期(ステージ)が決定され、手術の術式を含め治療方針が決定されます。 またCTデータから仮想注腸像、動脈、静脈を摘出した画像構築を行い、術前シュミレーションを行っています。

MRI :磁気を利用した検査です。CTと同じように横になってドーム状の機械に入って撮影します。 CTと異なるのは、体の輪切り(横断面)の写真だけでなく、縦断面の写真も撮ることができることです。 微小肝転移の検索や、直腸がんの周囲臓器への浸潤の状況などを診断するのに適しています。
PET :がん細胞ではブドウ糖代謝が亢進しているという性質を利用して、放射性のフッ素を含む薬剤を静脈注射し、 その取り込みの分布を撮影することで全身のがん細胞を検索します。超音波検査、CT、MRIなどで診断が難しい場合、 腫瘍マーカーなどの異常から転移や再発が疑われる場合などには、PETで検査することもあります。

病期(ステージ)分類

病期(ステージ)とは、がんの進行の程度を示す言葉です。大腸がんでは、0期~Ⅳ期に分類されます。 大腸癌の進行度は、大腸の壁への進行の深さ(深達度)、リンパ節への転移や、肝臓・肺など遠隔臓器への転移の有無によって決まります。 病期によって治療方法が異なります。

<<病期>>

治療

大腸がんの治療法は病期(ステージ)に応じて異なります。

内視鏡的治療 : 0期及びⅠ期(粘膜下層への浸潤が軽いがん)に対しては内視鏡を使って大腸の内側からがんを切除します。 大腸の粘膜には知覚神経が無いので、通常は痛みを感じることはありません。
病変の状態により内視鏡的ポリープ切除、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われます。

※内視鏡的治療については消化器内視鏡センターにて施術します。

手術治療

: 大腸がんの治療は手術による切除が基本であり、早期でも手術が必要な場合があります。 がんのある腸管とリンパ節の郭清が行われます。がんが周囲の臓器に及んでいる場合には、それらの臓器も一緒に切除することがあります。

●結腸がんに対する手術
結腸癌に対する術式は腫瘍の占拠部位により切除範囲が異なります。
 ・盲腸がん:回盲部切除術
 ・上行結腸がん:結腸右半部切除
 ・横行結腸がん:横行結腸切除術
 ・下行結腸がん:結腸左半切除術
 ・S状結腸がん:S状結腸切除術

●直腸がんに対する手術
直腸がんに対する手術の種類は大きく「前方切除術」「腹会陰式直腸切除術」に分類されます。
 ・前方切除術:
   癌が肛門から離れている場合は癌の部分を切って腸管の端同士をつなぎます。
 ・腹会陰式直腸切除術:
   癌が肛門すぐ近くの場合は、肛門を含めて切除し、人工肛門を造設します。

近年は癌の進行や進達度によっては肛門近くにある場合でも肛門を温存できることがあります。〔括約筋間直腸切除術(ISR)〕

腹腔鏡手術
これらの手術の方法は、従来は開腹による腸切除のみでしたが、近年は腹腔鏡手術も行われています。
腹腔鏡下手術は、お腹に小さな孔(あな)を数ヶ所あけて、そこから小型カメラと切除器具の付いた鉗子を入れ、カメラが映す画像を見ながらがんを切除します。 傷が小さい他に、手術後の痛み・癒着・出血が少ない、入院日数の短縮などといったメリットがあります。

化学療法
(抗がん剤治療)
: 抗がん剤は癌を縮小したり、増大を抑えたり緩やかにする作用をもっています。
大腸がんでは主に術後の再発を予防するために手術後に一定期間行う「術後補助化学療法」と、手術では切除しきれない場合や再発した場合に行う化学療法の二つがあります。 近年、化学療法の進歩は目覚しく、大腸がんを完全に治すことが難しい場合でも、がんの進行を遅らせ、元気に生活できる期間も長くなってきています。 また、中には癌が小さくなって手術で切除できるようになることもあります。
放射線療法 : 電磁波や電子線、粒子線など放射線を照射することで、がん細胞の遺伝子を墓石、癌の増域を抑えます。
直腸がんの手術前に抗がん剤と併用してがんのサイズを小さくし、手術を可能としたり、肛門を温存したり、術後の再発を抑制します。 また緩和目的に骨盤内のがんによる痛みや出血などの症状を軽減させるために用いることもあります。

臨床研究の実施に関する情報公開

 FOLFOX plus panitumumabによる一次治療抵抗または不耐となったRAS wild-type、切除不能進行・再発大腸癌に対する2次治療としての FOLFIRI plus panitumumab療法の有効性に関する他施設共同第Ⅱ相試験 -Liquid Biopsyによるバイオマーカーの発現の変化と抗腫瘍効果についての検討-  

研究責任者 : 河野 恵美子

 大腸癌に対するoxaliplatin併用の術後補助化学療法終了後6か月以降再発例を対象としたoxaliplatin based regimenの有効性を検討する第Ⅱ相臨床試験  

研究責任者 : 河野 恵美子

 標準化学療法に不応・不耐な切除不能進行・再発結腸・直腸癌患者を対象としたbiweekly TAS-102とBevacizumabの同時併用療法 第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験  

研究責任者 : 河野 恵美子

※がんに関連した不安や困ったことがあればお気軽にお声掛けください。