TOP ブラック・ジャックセミナー 2018年
ブラック・ジャックセミナーのご報告


今回で5回目となる「ブラック・ジャックセミナー」を平成30年10月21日(日)秋晴れの中、中高生の皆さんをお迎えし開催いたしました。
事前にお申込いただき、この日を楽しみに参加された皆さんの活き活きした表情と共にその体験内容をご紹介いたします。
◆手術用ガウンを着よう!
ガウンは感染から患者さんと自分の身を守る大切なもの。 手術室の看護師からレクチャーの後、自分たちもガウンを身にまとって医療者の仲間入り。


◆皮膚縫合

持針器を使って針を持ち縫合します。皮膚をすくうように縫うため、針はカーブしています。 上手く皮膚を合わせ、傷跡がきれいになるよう本物そっくりの人工皮膚を縫合します。 小さい針を持針器で操るのはとても苦労しました。

糸結び
しっかり糸結びができていないと縫合した創(きず)が開いてしまうかもしれません。
場面に応じていろんな結び方がありますが、今回はその中でも基本的な結び方を習得。 身体で覚えるまで何度も何度も繰り返し練習が必要です。


◆骨接合
ポッキリ折れた骨をチタン製のプレートとネジで固定しました。

◆腹腔鏡手術

“トレーニングボックス”を使った“腹腔鏡手術”では鉗子(かんし)を使ってビーズを移動させたり、輪ゴムをピンに掛ける手術を体験しました。 輪ゴムよりもっと細くて弾力のない実際の手術で使う糸も結んでみました。

3Dカメラと専用のグラスを使えば遠近感がはっきり見えて、より操作がスムーズになります。
グラス有無でのモニターの違いを感じていただけるでしょうか。

◆超音波凝固切開装置 自動吻合装置


手術機器の発展によって手術時間が短縮されたり、出血が少なくなることで 患者さんの術後の回復も早くなります。 これらの装置の仕組みについて教わり、実際に鶏肉や豚肉を切開したり、スポンジでできた胃や腸をつなぎ合わせます。
◆消化管内視鏡
大腸の中は見晴らしの良いトンネルではなく、クネクネ・デコボコと曲がっていて、時にはつぶれたチューブのようにもなっています。 “消化管内視鏡(大腸カメラ)”のダイアルを左手で操作しながら時々お腹を外から優しく押して、腸を動かしてみたりすることもあります。
どうすれば患者さんの苦痛が最小限で検査・処置できるか、様々な工夫をしています。

◆修了証授与式
閉会式では副院長のDr.平松から英文の修了証を授与しました。
医学を志すと英語の論文や文献を読んだり、自分が英語の論文を発表する機会もあるかもしれません。


※ 本セミナーは手塚治虫氏が描いたキャラクター「ブラック・ジャック」が無免許であることや、法外な報酬を要求する点について賛同するものではなく、天才的な外科手術の腕前を身に付け、維持し続けるという医療に対するひたむきな姿勢や、常に「医師の仕事とは」、「生命の尊さとは何か」、「お金より大事なものはなにか」を問う姿勢に共感してのものであります。
【参加された皆さんの感想を一部ご紹介いたします。】
- 先生方が優しく教えてくれて楽しく体験できた。
- 内視鏡とか腹腔鏡は名前を聞いたことはあってもどんなものか知らなかったので、体験してよく分かった。
- 腹腔鏡はゲーム感覚があっておもしろかった。
- 手先が器用でないと外科医はムリだな、と思った。
- 小学生の頃、ポスターを見て参加したかった。中学生になってやっと参加できた。楽しかった。
- 糸結びを家でも練習しようと思う。
- 医療機器や消耗品の金額を聞いてどれも高額で驚いた。
- 最新の医療機器を見たり実際に触れて、医療技術の発展を感じることができた。
- 最新機器の体験で素早く正確に手術できることに驚いた。
医療の発展には技術や機器の発展も大切だと思った。 - 将来医者になれるよう、もっと頑張ろうと思った。
- 医療の道に、より興味が湧いた。もっとたくさんの事を知りたいと思った。また来たい。
ブラックジャックセミナー2018の参加者それぞれに様々な感じ方があったようですが、皆さん活き活きした表情で体験されていました。 医療の世界では医師をはじめとする様々な専門職がチームとして患者さんの治療に尽力しています。とてもやりがいのある仕事です。 今回セミナーに参加された皆さんが、その一部でも感じてもらえたなら嬉しく思います。
今後一歩ずつ夢に近づいたときには、ぜひ教えてください。 また将来、医師をはじめとする医療の道へ就かれ一緒に働けること、スタッフ一同楽しみにお待ちしています。
たくさんのご応募・ご参加、ありがとうございました。

※当日の様子は地元、高槻市・島本町のケーブルテレビでも紹介されました。