TOP ブラック・ジャックセミナー 2016年
ブラックジャックセミナーのご報告
平成28年10月30日(日曜日)、高槻赤十字病院にさまざまな想いを胸に中学・高校生たちが集結しました。 この日は「ブラックジャックセミナー」。
手塚治虫氏の漫画、ブラックジャックのようにすぐれた医療技術を研鑽する当院医師たちと共に、医療の現場を体験しました。 体験内容を参加者の活き活きした表情と一緒にご紹介いたします。
◆ディスポガウンでハイ!チーズ♪
まずは身支度をして記念撮影です。
“ガウンテクニック”は患者さんを、そして自分自身を守るための大切な衛生管理のひとつです。 手洗い、手指消毒と一緒に、しっかりと身につけておきたい基本です。
◆皮膚縫合と糸結び
糸結び(左)って見た目以上に難しいです。お手本(中)をしっかり見て。
縫合(右)する針はハサミのような “持針器”で掴んで皮膚に垂直に刺さるように縫います。
◆腹腔鏡手術
“トレーニングボックス”を使った“腹腔鏡手術”では鉗子(かんし)を使ってビーズを移動させたり、輪ゴムをピンに掛ける手術を体験しました。
2本の鉗子でできないときは、二人で協力しながら4本の鉗子を操りました。(左)
3Dカメラと専用のグラスを使えば、遠近感がよりはっきり見えてスムーズに操作しやすくなります。(右)
グラス使わないとき(下左)とグラスで見たとき(下右)のモニターの違いを感じていただけるでしょうか。
◆骨接合
骨折の治療のひとつ“骨接合”ではネジを使ってプレートを骨に固定します。
ネジの長さに合わせて骨に穴を開け、実際にプレートを固定する手技を体験しました。
◆超音波凝固切開装置 他、最新の手術用医療機器
“超音波凝固切開装置”を使って鶏肉を切開体験。
出血の少ない手術に欠かせない機器です。(右)
腸などを切断すると同時にステープルで縫合を行える“自動縫合器”なども間近に見ながら説明を聞きました。
◆消化管内視鏡
“消化管内視鏡(胃カメラ(左)・大腸カメラ(右))”は実際に診療で使用している機器です。
シュミレーション用模型の食道・胃・大腸などの消化管の内側を観察しました。カメラの画像を観ながらスコープで内壁を傷つけないよう操作します。
◆心臓カテーテル
“心臓カテーテル”では足の付根の血管から心臓まで管を通し造影剤を使って心臓の血管を検査をします。 もし、細くなって血液の流れを妨げる血管が見つかれば“ステント”という血管を広げるための小さな器具を足から入れた管を通して心臓の血管に留置し血液の流れを確保します。
当日はこの“ステント留置術”までの手技を行いました。
◆赤十字病院としての活動
同伴の保護者の方には、赤十字病院としての備えや活動について熊本地震で現地に派遣された医師の体験を交えながらご紹介したり、 当院敷地内にある“災害救護倉庫”の見学をしていただきました。
その後、一緒に会場に入り体験の様子をご覧いただきました。
◆終了証授与式
閉会式では副院長のDr平松が英文の修了証を読上げ各グループの代表に授与しました。
※ 本セミナーは手塚治虫氏が描いたキャラクター「ブラック・ジャック」が無免許であることや、法外な報酬を要求する点について賛同するものではなく、天才的な外科手術の腕前を身に付け、維持し続けるという医療に対するひたむきな姿勢や、常に「医師の仕事とは」、「生命の尊さとは何か」、「お金より大事なものはなにか」を問う姿勢に共感してのものであります。
【参加された皆さんの感想を一部ご紹介いたします。】
- ブラックジャックな感じがした。医者の仕事はとても大変だけど、楽しく体験できた。
- 想像以上に細かい作業でびっくりした。難しかったけど楽しかった。
- 質問しやすい雰囲気でいろんな事を教えてもらえた。本当に医者になった気分で楽しめた。
- 病院のいろいろな仕組みを知ることができ良い経験ができた。
- 将来を決める上での大きな刺激になった。
- 受験勉強へのモチベーションが上がった。
- いろいろな体験ができ、これまで以上に医療の世界に興味を持った。
- 指導してくれた医者の優しさに触れることができた。どの医者も優しくとても魅力的な人だと感じた。
ブラックジャックセミナー2016の参加者たちは、日頃触れる事の無い、本物の医療器具の操作に緊張や喜びを感じながら体験されていました。 指導した医師の言葉にあったよう「医療の道は大変なことも沢山ありますが、多くの人に寄添ったり、多職種を交えたチームで一つのことを成し遂げたり、 とても遣り甲斐のある仕事です」。
今回セミナーに参加された皆さんが将来、医師をはじめとする医療の道へ就かれ、いつの日か一緒に働けることを楽しみにしています。
たくさんのご応募・ご参加、ありがとうございました。
※当日の様子は地元、高槻市・島本町のケーブルテレビでも紹介されました。