緩和ケア病棟

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たくさんの命(平成17年6月29日)

夜が開ける頃、窓を開けバルコニーに出てみると冷たい風の中に季節のにおい、自然のにおいを感じます。深呼吸をして長い夜を終えようとしている安堵と今日の始まりに気合を入れます。
ここは高槻でも山手にあり自然がたくさん残っているところで、自然に囲まれていながら住宅も多く、池の向こうにバス停があり、中学生が通学の近道に行き来し、にぎやか過ぎない生活圏があります。


池のほとりに立つこの病棟には患者さんやそのご家族、面会の方々だけでなく、ちょっとびっくりする訪問客があります。たまにやって来ているらしい “カワセミ”、私も見ました“キツツキ”そして去年の秋にはなんと“たぬき”がやってきて、今まであまりお部屋から出てこられなかった患者さんがバルコニーまで出てこられて一緒に盛り上がってしまいました。
ベッドから動くことが出来ないAさんは、バルコニーにみかんを置いてもらい“ヒヨドリ”が来てみかんを啄むのを楽しそうにご覧になり、どんなふうに置くと鳥が食べやすいか毎日工夫しておられました。
開設間もない頃玄関に置かれた子猫たち、私より大きい(?)ピレネー犬、ご主人の目を盗んで廊下を走っていたシーズー犬、小太りのコーギー、気取り屋のお嬢様猫メイクーン、ご主人様の傍にじっと寄り添っていたラブラトリー…。そしてサンタクロースに動くお雛様とお内裏様。声を出して思いっきり笑って元気を取り戻します。
工事中どこかに避難していた“鷺”たちはずいぶん帰ってきてくれたようで、一緒に“鴨”や野鳥を呼んできてくれたみたいです。
台風の時、もぎ取られた大木の枝々、根こそぎ倒れた木々たち。自然の力を思い知らされながらここにも命と闘っている人や動物、植物があります。たくさんの命がここにあります。その終わりに関わることを任せられた私達こそ一生懸命生きていかなければならないと日々感じます。

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