緩和ケア病棟

スタッフステーション便り

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フラメンコの衣装(平成20年1月17日)

年末年始には少し寒波がやってきましたが、今年もやや暖冬傾向でしょうか。緩和ケア病棟は日当たりがよく、廊下はサンデッキのように暖かくて日向ぼっこをされている患者さんもいらっしゃいます。


さて、このスタッフステーション便りでも、緩和ケア病棟での月行事(イベント)の様子を何度かお知らせしたことがありますが、年末に行われたクリスマス会のあとで起こった印象的なお話をしたいと思います。

入院中のAさんは、病気の影響でこちらの言っていることは理解できますが、自らお話することが難しい状態です。元気なころは趣味も多く社交的だったそうです。お友達も多く、面会にも来られています。体調はウトウトしている事が多く、食事もあまり進まない様子でした。そんな中、病棟一大イベントであるクリスマス会が行われました。Aさんのご家族やご友人の方とも相談して、以前趣味でされていたフラメンコの衣装を着て参加しようということになりました。その日は朝から大忙し。髪の毛を染めて、衣装(黒のドレス)に着替え、グロスのきいた口紅をさしお化粧もして、お友達と参加されました。
ボランティアさんのトーンチャイムの演奏や、スタッフの自信なさげな(?)手品の披露、じゃんけん大会、サンタさんからのプレゼントなど、Aさんも終始笑顔で大盛況のまま終了しました。


それからでしょうか、Aさんの様子に変化が出てきました。こちらの話しかけにもいつもニコニコと笑顔でいることが多くなり、何より食欲が出てきて、ほとんど何もたべなかったのが、パクパクと大きな口をあけて食べられるようになったのです。「最近Aさん調子が良いよね。クリスマス会からかなぁ」という思いがスタッフだけでなくご家族としても感じていただけているようでした。クリスマス会や日頃とった写真を手作りの額に入れてAさんの見えるところに貼ると、じーっと見てはニコニコとされています。Aさんはフラメンコの衣装を着たことで、元気だったころを思い出し、失いかけていた「今、生きる意味」を感じていただけた、といっては言い過ぎでしょうか・・・

最近では、緩和ケア病棟の意味はかなり理解されてきましたが、まだまだ『最期に行くところ』という、印象があるように思います。しかし、私たちは『最期まで生きるところ』であると、感じています。元気だった頃の思い出を支え、大切にしながら生活をする場所なのです。
このような日常を患者さんと共に感じ、語らい、私たちはパワーを頂いているように思います。今年も、緩和ケア病棟の様子をお伝えしていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

M.S

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