緩和ケア病棟

スタッフステーション便り

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こんな看護したいな…(平成13年12月10日)

―ホスピス研修でのひとこま―

「これから、苗を買ってきます。植えたら見せてあげるね」Aさん(71歳、女性、すい臓がん)の明るい声が響く。

Aさんは緩和ケア病棟に入院された時、腹部の痛みと腹水を認め、両足は浮腫(足に水が溜まって腫れること)でパンパンでした。「お腹に水が溜まると、もう、お迎えが近いのでしょ…。家にいても辛くてね…」言葉少なに語るその姿は本当にお辛そうでした。

さあ、死ぬほど辛い顔を、笑顔に変えるのが私たちの仕事。毎日の訪室の中で、初めはあまり話をしなかったAさんも、今まで自分が全て家の中の事を取り仕切ってきたこと、ご主人は全く家の中の事を知らないので心配であることなど色々話してくれるようになりました。ある日、「男の人は外でいい顔しても、家じゃ役立たずだよね?」と、笑っていたら、その時ご主人が入ってこられて大笑い。ご主人、訳がわからずキョトン。そのうち、お薬が効いて足の腫れもひき、お腹も少し引っ込み、痛みも楽になりました。今日は、買い物に行ってみようかな、散歩に出てみようかなと自分の思うように、毎日を過ごされています。ご主人も嬉しそう。先週は2泊3日で一時帰宅されました。車椅子でないと移動は難しいですが、おトイレだけは自分で頑張られています。おトイレは私たちの喜びですと一生懸命支えさせてもらっています。大切な大切な命の輝きと可能性を信じて…。

私たちの作ろうとしている病棟では、どのような状況でも主役となるのはあなたとご家族です。一日一日を有意義に過ごすことができるよう、私たちはあなたやご家族とたくさん話し合いたいと思っています。色々な場面で、一緒に泣き・笑い、そして喜びや辛さを共に感じながら、そして、安らぎのある場所になればいいなと思っています。

そのために私たちは、あなたや、ご家族がどのような状態であるかをいうことを、スタッフ全員で色々なことを理解した上で、あなたらしく生活できるよう緩和ケアチーム全体で支えていきたいと思っています。そして、専門家として、あなたの抱える、お辛い症状・病気のことなどの色々な不安・その他、生活にかかわる多くの心配事に対して、日常生活の援助を行いながら、少しでも一人一人の抱える苦痛を緩和します。また、同時に苦痛や不安を抱えているご家族への援助も行います。

私たちはどんな状況にある人であっても、全ての方たちの持っている生活する力・あらゆる可能性を信じて、その力をあなた自身をご家族が、充分引き出す事ができるような看護をしていきたいと考えています。

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